県議の自家用車燃料代申告 「年間6万キロ走行」も

2015/10/30

大分合同新聞報道によると・・・・昨年度の県議会の政務活動費について、大分合同新聞は調査旅費として計上できる自家用車の燃料代に関連して各議員が申告した1年間の走行距離をまとめた。最長は毛利正徳氏(中津市、自民党)の6万6393キロ。地球を1周半以上する計算で、他の議員と比べ突出していた。平均は1万164キロだった。今年4月の改選前の議員42人が提出した政務活動費支払証明書を調べた。

毛利氏に次いで、前任期で引退した酒井喜親氏(日田市、県民クラブ)が2万6088キロ、同じく三浦公氏(国東市・東国東郡、自民党)が2万6080キロ、現職の土居昌弘氏(竹田市、自民党)が2万4092キロだった。毛利氏は昨年度、計281日で自家用車による調査旅費を計上した。証明書の記載によれば、中津市内の移動が主だがほぼ毎日のように十数カ所で調査活動を実施。1日当たりの平均走行距離は236キロで、大分市―熊本市間(最短約120キロ)の往復にほぼ相当する。申請した燃料代の合計額は約245万円。

取材に対し「とにかく車で走り回っており、活動したそのままの距離を付けている。朝には必ずメーターをゼロにし、一日の走行距離を確認している」と説明した。自家用車の旅費がゼロだった議員も3人いた。小嶋秀行氏(大分市、県民クラブ)、吉岡美智子氏(同、公明党)、河野成司氏(同、公明党)はいずれも「政務と党務を明確に区別し難いため、請求していない」と答えた。

自家用車による調査旅費は政務活動に使った場合に認められ、1キロ当たり37円で算定。他の経費と違って領収書は不要で「基本的に本人の申請による」(議会事務局)という。
 おおいた市民オンブズマンの永井敬三理事長は「毛利氏はその距離を走ったとすれば一日をほぼ費やしてしまうはずで、調査する時間はほとんどないのでは」と指摘。厳格なチェック体制も必要として「議会事務局とは別の外部チェック機関や、後払い方式の導入も検討すべきだ」と話す。

ガソリン代の2・7倍請求可能・・・大分県議会では、条例に基づき自家用車での旅費(燃料代)を1キロ37円で算定している。国家公務員の旅費法に合わせた額としているが、ガソリンの価格と比較すると割高といえる。石油情報センターによると、県内のレギュラーガソリンの小売価格は1リットル135・4円(26日現在)。仮に車に乗った際の燃費が1リットル当たり10キロだった場合、政務活動費では10キロ走れば370円が認められるため、ガソリン代の2・7倍の額を請求できることになる。

九州7県の各議会事務局によると、旅費の単価はおおむね県職員の規定に合わせて設定。1キロ37円は大分の他に熊本と鹿児島が採用し、鹿児島は1日当たりの定額制(選挙区内2400円、選挙区外5400円)も選べる。単価が最も安いのは宮崎の1キロ17円。福岡は1キロ20円で算定していたが、本年度からガソリン代の領収書の半額までと改めた。長崎はガソリン代の半額か、1キロ25円かのどちらかを選べる。佐賀は活動諸費として1日3千円(県内)の定額制。

政務活動費・・・・議員による調査研究や事務経費など政務活動の費用として、各自治体の条例に基づいて交付される。政党活動や私的経費は対象外。大分県議会の場合、各会派に所属議員1人につき月額30万円(年間360万円)が交付される。会計帳簿に使途を記載し、未使用分は返還する。 ※この記事は、10月30日大分合同新聞に掲載されています。