原田新市長が所信表明!!

原田啓介新市長が始めて定例市議会に登場して所信表明を行った。内容は次のとおりです。『平成23年第3回日田市議会定例会の開会にあたりまして、議員各位に敬意を表すとともに、市民の皆様方にご挨拶申し上げます。まず、本年3月11日に発生しました東日本大震災により、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。私も、就任前の7月末に、宮城県の石巻市と南三陸町に足を運び、現状を目の当たりにしてまいりました。その現場に立ち、被災者の方々の声を聞き「行政の最大の責任は、市民の生命(いのち)と生活(くらし)を守ることだ」と改めて、強く感じた次第でございます。
また、就任後1か月足らずではございますが、市役所各部の所管事項や懸案事項について説明を受け、差し迫った課題が山積していることも実感したところであります。改めて、市政を担うことの重さを深く自覚し、これからの4年間、初心を忘れることなく、市政運営に取り組むことを覚悟した次第でございます。議員各位、そして広く市民の皆さんのご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
さて、我が国の経済状況を見回しますと、長引く景気低迷、百年に一度といわれるほど大きな「金融危機」「世界同時不況」、少子高齢化に伴う経済の収縮や社会保障問題など、深刻な事態に直面しており、今回の「東日本大震災」の影響、さらに「史上空前の円高」も併せ、輸出・消費の後退、雇用の抑制など、大変厳しい局面を迎えていると認識いたしております。
一方、これらによる日本全体の減収・減益は、税収の減少にもつながり、国からの交付金や補助金に頼らざるを得ない地方自治体にとって、将来の展望を切り開いていくにはあまりにも厳しく、暗たんたる思いを持つものであります。
このように、現在の日田市を取り巻く状況は大変厳しいといわざるを得ません。とりわけ、平成27年度からは、市町村合併による普通交付税の優遇措置が段階的に縮小され、平成32年度には完全に廃止されるため、市の財政状況は激変することが予想されます。
従いまして、この地方交付税の見通しも含め、「社会保障と税の一体改革」など、国が進める主要な動向を注視し、日田市の当面5か年度における財政推計をまとめることにしており、議会を始め、市民の皆様にもお知らせしたいと考えています。
このような中、小学校等の統廃合による新たな教育環境の整備や豪雨・地震等自然災害に対する防災体制の充実を図らなければならず、今後、多額の財政負担も予想されます。
特に、教育環境の整備等は重要な局面にあり、教育委員会を始め、関係各位の協力の下、引き続き事業を推進してまいります。いずれにいたしましても、これらの財政状況を踏まえ、財政運営におきましては、経常収支比率や実質公債費比率など、主要な財政指標の改善に努め、引き続き、財政の健全な運営に取り組んでまいります。
しかしながら、私としては、これらの事を悲観的に捉えるのではなく、時代が大きく変貌する「過渡期」「プロセス」として捉え、この「変貌」を乗り切るため、抜本的な行財政改革と自治改革を進めてまいります。そのために、まず取り組みますことは、「体制づくり」です。
行政改革においては、職員が高い倫理観に基づき、事業仕分け等を活用し、公平かつ公正な職務を遂行できる職場環境を整備するとともに、事務事業の効率化を進めます。
また、市民の方々と共に「自ら治める」自治の観点に立ち、自由かったつに発想し、意見を交わせる「市民会議」を開催いたします。これらの改革の基本は、情報をオープンにし、市民の目線で推進することであり、「市民にとってどうなのか」という改革になってこそ、初めて意味のあることだと考えております。しかし、改革を進めるにあたり、効率やコストを重視するあまり、この重要な過渡期に、内向きの狭い視野で舵取りをしていたのでは、将来は開かれません。現実を見、外を見、先を見て、新しい時代への社会を作っていかなければなりません。
夢も希望も持てなくなっては、何のための改革か分かりません。無駄な歳出の削減を徹底し、経常費に切り込む努力は続けながらも、新たな雇用の創出や税収増を図るため、経済波及効果を重視した事業や新たな産業を創設していくことも重要なことだと考えます。特定の人間が考え、行動する時代は終わりました。これからの街づくりには、市民が自ら考え、暮らしの満足度を高めていく主体となり、行政と協働して日田市の未来を創り出す体制を整えることが必要だと考えます。
私は、市民参加型の協働による街づくりを進めるため、以下の3つの重要事項と、5つの基本政策を掲げ、日田市の発展と活性化を目指してまいります。まず、重点事項の1つ目「市民参加の開かれた市政を」でございます。
豆田の酒蔵活用の構想と屋形船の公有化などの事業につきましては、いったん白紙に戻すとともに、これまでの行政主導による事業推進を見直し、市民の皆様と話し合いながら、事業を推進してまいります。
次に、2つ目の「将来を見据えた行財政改革を」でございます。これからの少子高齢化社会に対応するため、行財政改革を推進していきます。とりわけ、今議会に提案いたします特別職の給料削減や事務事業の見直しに取り組みながら、総人件費の抑制に努め、財政支出について抜本的に見直してまいります。
最後に、3つ目の「情報格差の是正を」でございます。現在、市が運営していますケーブルテレビの「水郷TV」と、市内中心部をエリアとして民間で運営しています「KCV」との一元化を目指し、情報格差の是正に努めてまいります。
また、日田市を活性化するための基本政策として、次の5項目について宣言し、取り組んでまいります。まず、1つ目「総合特区制度を活用した新たな公共の創造」でございます。
これは、規制緩和と財政面での支援を組み合わせ、地域活性化を図ることを目的として創設されております、国の総合特区制度を最大限活用し、日田の地域資源に智恵と工夫を重ね、「自給力」と「創富力」を高めて、「地域力」の向上を図ってまいります。
次に、2つ目「地域経済・雇用対策への取組」でございます。これは、地域の地場産業やベンチャー企業等のネットワークを体系化するとともに、農林商工連携による地産地消、観光関連の推進を図ってまいります。また、地域産業の育成に不可欠なインフラ整備を進めてまいります。
次に、3つ目「安心して暮らせる福祉と教育の充実」でございます。
これは、地域の実情を踏まえ、子育て家庭、障がい者や高齢者などの生活弱者といわれる方々が、安心して暮らせる制度を創造し、「絆」を大切にする社会の実現に取り組んでまいります。また、国民健康保険税が、市民の大きな負担とならないよう改善いたします。
次に、4つ目「水郷ひたの水と森づくり」でございます。日田の自然を生かした振興政策を進め、自然の豊かさを実感できる循環型社会の構築を目指します。また、豊かできれいな水の日田づくりに取り組んでまいります。
最後に、5つ目「人が、いきいきと輝けるまち日田」でございます。日田で生活する誰もが、日田にある素晴らしい場所・文化・歴史・人・モノに誇りを持ち、「人が、いきいきと輝けるまち日田」となるよう、再生してまいります。また、防災体制については、東日本大震災を教訓として見直しを行い、安全・安心のまちづくりを進めてまいります。
3つの重要事項と5つの基本政策を申し上げましたが、これらは、全て一連の事柄として、一体化した政策だと考えております。なお、具体的な事業等につきましては、今後の12月議会、3月議会に提案させていただきたいと存じます。
以上、これからの4年間の市政を担当するに当たりまして、所信の一端を述べさせていただきましたが、これ以外の継続的な事業につきましては、早期の完成を目指してまいります。もとより、街づくりは、行政のみでなし得るものではありません。今後も、議会、市民や経済界を始めとする多様な「主体」と一体となって、「英知と勇気と情熱」を集め、各種施策の推進に努力してまいりたいと考えます。
終わりに、私は、市政の運営に当たり、「市民の市民による市民のための日田市政」の確立を目指し、議員各位並びに市民の皆様の声に十分、耳を傾けながら、着実かつ果敢にその任を果たしていく覚悟でございます。議員各位並びに市民の皆様のご支援とご協力を切にお願い申し上げ、就任のご挨拶並びに所信表明とさせていただきます。