「くじ引き入札」に・・・

2012/02/17

先日西日本新聞大分・日田玖珠版に総局長コラム豊の風で興味ある記事が載っていた。「くじ引きあり?」とあり、読んでみると公共事業の入札制度に関する疑問が載っていた。大学や高校入試で事前に問題の答が教えてくれる試験制度だったら必死に勉強するのがばからしくなり、遊んでいても大丈夫となってしまうだろう。そんなことが大人社会にあるのだから、おかしなものですと書かれている。
地方の公共工事などの入札で、今、「くじ引き入札」が広がっているそうだ。発注する行政側が業者の談合防止のため、入札工事の予定価格を公表し、さらに最低価格さえオープンにしてしまうケースもあるという。工事を取ろうとする業者は最低価格が分かればそれで入札する。このためずらりと同じ価格が並び、「くじ引き」になるというわけだ。入札がくじ引きなら努力もいらない。談合入札をストップさせる対策の一環かもしれないが、正しい防止策とは思えない。事前に答を明らかにする試験なんて成立しないように、筋の悪いやり方だ。
工事を完成させるため、どんな工法が適当か、そのために必要な資材はどれだけ人員をかけるのか。必死になって考えるのが本来の姿であろう。くじ引き入札の現状を「業界のレベルを下げ、優秀な人材が集まらなくなる」と心配する。予定価格や最低価格の公表で確かに談合をなくせるだろう。「談合がなくなればいい」とはいえ、これでは「角を矯めて牛を殺す」ことになりやしまいか、心配だ。と載っている。
聞くところ、日田市では入札前に予定価格を公表し、入札後に最低制限価格を公表しているという。しかし、日田市でもこうしたくじ引き入札が行われているという。くじ運のいい業者とくじ運の悪い業者があるという。積算システムも高度になり、予定価格だけ公表すれば正確な価格も確立されているという。県内殆どの自治体は予定価格は公表されているという。しかし、中津市は予定価格、最低制限価格を全く公表していない市もあるという。公表しないことが良いのか疑問もあるという。国の制度が変わって各自治体が苦労する案件である。